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シャルリー・エブド()は、フランスの週刊新聞。短く「シャルリ・エブド」とも。 左派寄りの風刺新聞であり、イラスト(風刺画)を多用し、フランス国内外の政治 を主に扱う。同誌の風刺画家のシャルブによると、その編集方針は「様々な左派の見解、さらには政治参加に無関心な人の見解」を反映すること、とのことである。 「シャルリー・エブド」という名の後半の「エブド」はフランス語の「エブドマデール()」(=「週刊の」という意味の形容詞)の短縮形〔フランス語では、英語や日本語とは異なり、形容詞は基本的に(原則的に)名詞の後ろに置く。名詞の前に配置するのはあくまで特別な意味を持たせようとする時などで、例外的。〕。「シャルリー」とは漫画「ピーナッツ」の登場人物チャーリー・ブラウンに因んだものであり、またシャルル・ド・ゴールのシャルルにも掛けたネーミングである。 == 歴史 == シャルリー・エブドのルーツは主として『Hara-Kiri』(アラキリ)にあり、月刊誌Zéroの後、「」と呼ばれているジョルジュ・ベルニエとフランソワ・カヴァナ()は1960年に月刊の『Hara-Kiri』を発刊した。Hara-Kiri は日本語の腹切りのこと。これは「ばかばかしくて、意地悪な」内容のものだった。 1961年発禁、1966年復刊。 1970年月刊紙「シャルリー」刊行。この月刊紙は、当初イタリアの月刊紙「ライナス」の仏語版であった。チャーリーもライナスも、「ピーナッツ」の登場人物で、チャーリー・ブラウン〔 〕 〔 〕はスヌーピーの飼い主である。 1981年に アラキリ は廃刊になり、1992年に週刊紙シャルリー・エブドとして再開された。 2006年、ムハンマドとされる男性に「ばかに愛されるのはつらい」と付記したイラスト、ターバンに爆弾がし込まれたイラスト、天国に向かって並ぶ自爆テロ犯をムハンマドが迎え「待て待て、もう処女はいないぞ」と呼びかけているイラストなど12点を配した「ムハンマドと原理主義者」と題した特集が組まれた。この特集はイスラム教徒の反発を招き、シラク大統領(当時)からは「行き過ぎた挑発だ」と批判された〔読売新聞、2015年1月15日付朝刊〕。ムスリム団体は宗教的な侮辱だとして提訴したが、2007年3月の1審では、風刺雑誌におけるよく練られた挑発や誇張は、社会批判や政治批判の手段となりうるものであり、一定の制約は受けるが表現の自由として守られる、ユーモアがなく、不快感や恐怖、ショックを与え、傷つけるものも認められるが、特集全体の方向性を踏まえると、過激派に限定され、ムスリム全体を不快にさせようとしたものではないとして、これを無罪とした。2008年2審も「ムスリムのごく一部に向けられたものであり、ムスリム社会全体を対象にしたものではない」として無罪となった〔『ル・フィガロ』2008年3月12日〕。 2007年、爆弾を所持したムハンマドとされる人物を描き、パリの主要モスクから非難された〔。 2011年11月2日、「イスラム教の預言者ムハンマドを同紙の新しい編集長に指名した」という風刺画を掲載、事務所に火炎瓶が投げ込まれ全焼する事件が起きた。同年、ムハンマドを同性愛者として同社の男性社員と口づけしている風刺画を掲載し、同紙ウェブサイトがクラックされる事件が起きた。 2012年には、フランス当局から警告を受けていたにもかかわらずヌード姿のムハンマドの絵を複数掲載した。 2013年には、「ムハンマドの生涯」と題した漫画を出版した。 2014年10月には、過激派組織イスラム国がムハンマドの首を切るマンガを掲載した。 2015年3月18日発売号で、今も収束していない福島第一原子力発電所事故を皮肉る風刺画を掲載した。事故で煙を出す福島第一原発の前に大きな鳥の足跡を描き、防護服を着た作業員がその足跡を見て、「今年の最初のツバメだ」と話している。足跡は放射能被害により大きくなったとの想定で、原発事故の被害を誇張する内容となっている。同時に最近、軽微な事故を起こしたフランス国内の原発2か所を扱った。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「シャルリー・エブド」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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